AlmaLinux 提供のスクリプトで CentOS Stream 8 ベースの KUSANAGI 9 から AlmaLinux OS 8 への移行手順

AlmaLinux では CentOS Stream から AlmaLinux へのマイグレーションを行うためのスクリプトが提供されています。
この記事では、そのスクリプトを使用して CentOS Stream 8 ベースの KUSANAGI 9 から AlmaLinux OS 8 ベースへマイグレーションするための手順を紹介します。

マイグレーションを行う際の注意点

  • 実行前にはバックアップを取る
    マイグレーションを行う際の注意点としまして、マイグレーションを実行する際には必ずスナップショットなどのバックアップを取ってから実行してください。
    万が一、マイグレーションに失敗しますと復旧が非常に難しい場合がありますので、実行前には必ずバックアップを取ってください。
  • CMS のマイグレーションまではスクリプトは保証していない
    AlmaLinux で提供しているスクリプトは OS のマイグレーションを行うものであり、 OS 上にインストールされている全てのアプリケーションのマイグレーションを行うわけではありません。
    場合によっては OS のマイグレーションが成功しても CMS が正しく動かないケースもあります。
    もしそういったことが起きましたら、以下の KUSANAGI ユーザーグループから確認してみてください。

KUSANAGIユーザーグループ | 超高速WordPress仮想マシン「KUSANAGI」ユーザーグループ公式サイト

  • クラウド側のイメージは CentOS Stream 8 ベースの KUSANAGI 9 のままである
    あくまでクラウド側が保持している元の情報は CentOS Stream 8 ベースの KUSANAGI 9 であり、マイグレーションを行っても、クラウドベンダーが提供している AlmaLinux OS 8 ベースの KUSANAGI 9 にはなるわけではありません。
    もちろん、マイグレーションを行った後の環境はクラウドベンダーで提供している AlmaLinux OS 8 ベースの KUSANAGI 9 と同等であり、機能に差はありません。

マイグレーション前の環境の確認

マイグレーション前の KUSANAGI 9 の環境を確認します。

$ cat /etc/redhat-release
CentOS Stream release 8
$

オペレーティングシステムが CentOS Stream release 8 と表示されています。
このように、 OS が CentOS Stream 8 であることが確認できれば移行可能です。

マイグレーションの実行

以下の公式サイトの手順に従ってマイグレーションを実行します。

Migration Guide | AlmaLinux Wiki

最初に管理者権限で dnf update -y を実行して OS を最新化します。

sudo dnf update -y

続いてシェルスクリプトをダウンロードします。

curl -O https://raw.githubusercontent.com/AlmaLinux/almalinux-deploy/master/almalinux-deploy.sh

ダウンロードが完了しましたら、ダウンロードしたシェルスクリプトに -d オプションをつけて、管理者権限で実行します。

sudo bash almalinux-deploy.sh -d

実行の完了まではある程度時間がかかりますので、その間に環境がシャットダウンなどしないように注意しましょう。
Migration to AlmaLinux is completed と表示されれば正常終了です。
環境を再起動して完了となります。

sudo reboot

マイグレーション後の環境の確認

再度環境にログインして、 OS が切り替わったか確認しましょう。

$ cat /etc/redhat-release
AlmaLinux release 8.9 (Midnight Oncilla)
$

オペレーティングシステムが AlmaLinux release 8.9 と表示されています。
このように、 OS が AlmaLinux OS 8 に切り替わったことが確認できました。

以上が AlmaLinux 提供のスクリプトでの CentOS Stream 8 から AlmaLinux OS 8 へのマイグレーションの手順になります。