KUSANAGI 9 for AWSは、WordPressをはじめとするCMSが高速に動作する、アマゾンウェブサービス(以下、AWS)用の無償版の仮想マシンイメージです。
無償版のKUSANAGIはビジネスユース向けの「Business Edition」
Web高速化エンジン搭載の最上位版「Premium Edition」にアップグレートできます。
データベースの標準構成としてMariaDB Galera Server 10.3を採用しています。WordPressのデータベース接続先の設定を変更することによりAmazon RDS for Auroraを利用することも可能です。推奨環境はt2.mediumインスタンス以上(メモリ4GB以上)です。
KUSANAGI 9 for AWSのご利用方法
以下、既にAWSアカウントを取得し、AWSマネジメントコンソールにアクセスできていることを前提として、KUSANAGI 9 for AWSの利用方法を説明します。
1. インスタンス(仮想マシン)の作成
1-1. AWSマネジメントコンソールにアクセスし画面右上で「東京」(「アジアパシフィック(東京)」)が選択されている状態にします。
※以下の内容は「KUSANAGI 9 for AWS」のCentOS Stream 8版を利用する場合として進めています。
1-2. AWS マネジメントコンソールの上部検索項目に「KUSANAGI」と入力し表示された「KUSANAGI 9 for AWS (CentOS Stream)」を選択します。
※表示されない場合は、「Marketplaceのn件の結果をすべて表示」リンクをクリックしてMarketplaceから「KUSANAGI 9 for AWS (CentOS Stream)」を選択します。
※AlmaLinux OS版を利用する場合は「KUSANAGI 9 for AWS (AlmaLinux OS)」を選択してください。
1-3. 「AWS Marketplace(※)」で「KUSANAGI 9 for AWS (CentOS Stream)」が表示されるので「Continue to Subscribe」をクリックします。

AWS Marketplaceは、AWS上で実行されるソフトウェアやサービスを検索・購入後、すぐに利用を開始できるオンラインソフトウェアストアです。KUSANAGI 9 for AWSはこのAWS Marketplaceに、Amazonマシンイメージ(AMI)が利用料無料で登録されています。
1-4. ソフトウェア利用の申し込みをします。利用条件を確認し問題なければ「Accept Terms」をクリックします。
1-5. 「Continue to Configuration」をクリックし設定画面に進みます。
1-6. 利用するOSのバージョンを選択します。現在は、「KUSANAGI 9 for AWS (CentOS Stream)」ではCentOS Stream 8とCentOS Stream 9が、「KUSANAGI 9 for AWS (AlmaLinux OS)」ではAlmaLinux OS 8が選択できます。
1-7. リージョンは「Asia Pacific(Tokyo)」を選択します。
1-8. OSのバージョン、リージョンを確認して「Continue to Launch」をクリックします。
1-9. 起動画面に進むので、Choose Actionで「Launch through EC2」を選択し「Launch」をクリックします。
1-10. 起動するインスタンスの名前を任意に設定します。
1-11. インスタンスタイプを選択します(KUSANAGIの推奨環境はメモリ4GiB以上です)。デフォルトでは「t2.medium」(メモリ4GiB)が選択されています。
1-12. キーペアを選択します。既に存在する場合はそのキーペアを、まだない場合は「新しいキーペアの作成」をクリックします。
この先は「新しいキーペアの作成」の場合で進めます。既にキーペアが存在する場合は、1-14.まで進みます。
1-13. キーペアを作成ウィンドウが表示されるので、「キーペア名」には任意のキーペア名を入力し、「キーペアの作成」をクリックします。
鍵ファイルがダウンロードされますので任意の場所に保存します。保存したファイルは(後述の)仮想マシンへのログイン時に使用します。
1-14. ネットワークの設定でファイアウォールの設定をします。セキュリティを強化するために「からのSSHトラフィックを許可する」で「自分のIP」を選択します。すると現在アクセスしているIPアドレスが指定されます。

※ 接続元IPが特定範囲の場合は、「カスタム」としてCIDRでの設定をします。範囲が特定できない場合は、都度、AWSマネジメントコンソールから「自分のIP」でのSSHのルールを追加し、終了次第、ルールの削除を行います。
1-15. ストレージの設定をします。右上の「アドバンスト」をクリックします。
ストレージの詳細な設定項目が出るので、終了時に削除の項目を「はい」にします。この設定を行うと、インスタンス終了時に自動的にストレージも削除されます。
1-16. 画面最下部にある「インスタンスを起動」をクリックします。
1-17. 画面が「作成ステータス」に切り替わり、正常に起動すると「成功」と表示されます。そこにインスタンスIDも表示されるのでクリックします。画面がインスタンスのページに切り替わります。
1-18. インスタンスのページでは「ステータスチェック」が「初期化しています」となっており、インスタンスが作成中であることを確認できます。
しばらくすると「ステータスチェック」が「2/2のチェックに合格しました」に変わります。これでインスタンスの作成が完了です。

「インスタンスの状態」は「実行中」となっており、すでに起動していることを確認できます。
2. インスタンス(仮想マシン)の起動
2-1. 作成直後のインスタンスは通常すでに自動的に起動しています。もしもインスタンスが停止している場合(「インスタンスの状態」が「停止済み」)には、「インスタンス」ページでインスタンスを選択(左端のチェックボックスをクリックしてアクティブに)したうえで、「インスタンスの状態」から「インスタンスを開始」をクリックして起動させます。
3. Elastic IP(固定IP)の設定
3-1. 作成したEC2のインスタンスに割り当てられるIPは、再起動のたびに変更となる動的割当です。IPを固定させたい場合にはElastic IPより、IP アドレスの割り当てと関連付けを行います。AWSマネジメントコンソールのEC2ダッシュボードから「ネットワーク & セキュリティ」->「Elastic IP」メニューをクリックし、さらに「Elastic IP アドレスの割り当て」をクリックします。画面が「Elastic IP アドレスの割り当て」に切り替わります。
3-2. 「割り当て」をクリックしてIP アドレスの割り当てを行います。
3-3. 割り当てられたIP アドレスを選択した状態で、「アクション」のプルダウンから「Elastic IP アドレスの関連付け」を選択し、「インスタンス」の項目で、IP アドレスを適用したいインスタンスIDを指定します。
4. 仮想マシンへのログインと初期設定
4-1. 作成したインスタンスを選択した状態で、ページ下部にあるインスタンスの情報を確認します。ログイン時には「パブリック IPv4 アドレス」(または「パブリック IPv4 DNS」)を使用します。
4-2. sshコマンドを使用して仮想マシンにログインします。必要な情報は「パブリック IPv4 アドレス」(または「パブリック IPv4 DNS」)、1-13でダウンロードした秘密鍵ファイルのフルパスです。ユーザー名は「centos」(※)です。
※1-6.で選択したOSがCentOS Stream 8の場合です。選択したOSがCentOS Stream 9かAlmaLinux OS 8の場合、ユーザ名は「ec2-user」になります。
PowerShellの例
# ssh.exe centos@(パブリック IPv4 アドレス) -i (秘密鍵ファイルのフルパス)
パスワードを利用してログインする場合や、WindowsでSSHクライアントを使用してログインする場合は、こちらのドキュメントをご確認ください。
ログインに成功すると、次のような画面が表示されます。
4-3. 次のように入力し、rootユーザーに切り替えます。
$ sudo su -
rootユーザーに切り替えができていることを確認します。
[root@<ホスト名> ~]#
このように末尾が#となっていればrootユーザーへ切り替わっています。
KUSANAGIの初期設定以降の手順については、こちらの「KUSANAGIの初期設定」をご確認ください。