WordPressのプラグイン・テーマの脆弱性情報を公開している Wordfence から、日本の利用者にも影響がありそうなものを中心にピックアップして紹介します。
- 期間: 2025/09/04-2025/09/09 に報告があったもの
- 対象: Wordfenceが公開しているデータフィードより以下の条件を満たすもの
- WordPress.orgにおける "Active installations" が 10万 以上である
- 日本語の翻訳に対応している
深刻度が高い脆弱性: 2件
プラグイン: Ninja Forms
対象製品 | Ninja Forms |
対象バージョン | 3.11.0までの全てのバージョン |
修正バージョン | 3.11.1 |
CVSS | 高 (8.1) |
脆弱性概要 | 3.11.0 までの全てのバージョンに、安全ではない入力のデシリアライゼーションのため、PHPオブジェクトインジェクションの脆弱性が存在します。 認証していない攻撃者が、任意のPHPオブジェクトを挿入できます。 なお、このプラグイン単体にはPOPチェインはありません。つまり、ウェブサイトにPOPチェインを持つ他のプラグインやテーマが存在しない限り、この脆弱性の影響はありません。 もしも、他にインストールされたプラグインやテーマにPOPチェインが存在する場合、攻撃者はそのPOPチェインによっては任意のファイルを削除したり、機密性のデータを取得したり、PHPコードを実行したりすることができます。 |
対応方法 | 3.11.1以降にアップデートする |
CVE | https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-9083 |
公開日 | 2025-08-28 00:00:00 (2025-09-09 13:48:00更新) |
詳細 | https://www.wordfence.com/threat-intel/vulnerabilities/id/a567b932-7984-400b-bca0-8d2b0e4b1cb7 |
プラグイン: Import any XML, CSV or Excel File to WordPress
対象製品 | Import any XML, CSV or Excel File to WordPress |
対象バージョン | 3.9.3までの全てのバージョン |
修正バージョン | 3.9.4 |
CVSS | 高 (7.2) |
脆弱性概要 | 3.9.3までの全てのバージョンに、ファイルタイプのバリデーションが不十分なため、任意のファイルをアップロードされる脆弱性が存在します。 攻撃者が管理者以上の権限を持つユーザーで認証済の場合に、サーバ上の .phar ファイルといった安全ではないファイルをアップロードすることが可能となり、リモートでコードが実行される可能性があります。 |
対応方法 | 3.9.4以降にアップデートする |
CVE | https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-10001 |
公開日 | 2025-09-09 00:00:00 (2025-09-09 18:18:36更新) |
詳細 | https://www.wordfence.com/threat-intel/vulnerabilities/id/bb03aeb8-32ab-4962-bc95-b10fb7bd7fcf |
他の脆弱性: 1件
プラグイン: Fluent Forms
対象製品 | Fluent Forms |
対象バージョン | 5.1.16から6.1.1までの全てのバージョン |
脆弱性概要 | 購読者以上の権限を持つユーザーで認証済の場合に、PHPオブジェクトを挿入できる。追加のPOPチェインが存在することで、攻撃者は任意のファイルを読み込むことができる。また、'allow_url_include'が有効なサーバーでは、リモートコードを実行することが可能である。 ベンダーによってこの問題はバージョン6.1.0で修正されているものの、この修正は脆弱性があるコードで存在しないクラスのインポートに関する致命的なエラー (fatal error) を引き起す。そのため、バージョン6.1.2が完全で最もよい修正バージョンと考える。 |
詳細 | https://www.wordfence.com/threat-intel/vulnerabilities/id/938e5d6b-1ad6-4021-a148-1d1c9e8a0a83 |
総括
この期間内に報告された脆弱性3件のうち、1件は認証していない攻撃者 (誰でも攻撃できる) に影響を受ける脆弱性で、2件は少なくとも購読者以上の権限を持つユーザーで認証済の場合に影響を受ける脆弱性でした。
引き続きPOPチェインに関する脆弱性が報告されています。
Ninja Formsの脆弱性については認証していない攻撃者が任意のPHPオブジェクトを挿入できるものと、影響度が高いものです。該当するプラグインを使用している場合は速やかにアップデートを行うようにしてください。
Fluent Formsは前回の報告のアップデートになります。
また、POPチェインについては以前の説明を参照してください。