KUSANAGI 9 for AWS Premium Editionは、WordPressをはじめとするCMSが高速に動作する実行環境「KUSANAGI」の最上位版です。
無償版のKUSANAGIはビジネスユース向けの「Business Edition」
Web高速化エンジン搭載の最上位版「Premium Edition」にアップグレートできます。
最大の特徴はWebシステム高速化エンジン「WEXAL® Page Speed Technology」を搭載していることです。バックエンド×ネットワーク×フロントエンドの重層的な最適化により、Webページの表示高速化、Google「PageSpeed Insights」のスコア改善、広告の速やかな表示などが実現できます。その結果、ページビュー数の向上やコンバージョン率の向上などが期待できます。
オープンソースのシステムを安心して継続的にご利用いただけるよう、最新版 WordPress 系統に対する動作保証や、CentOS Stream/AlmaLinuxのリポジトリからの各種アップデートに対応、またAWSの主要な最新インスタンスタイプへの対応など、ビジネスユーザーにとって必要な各種機能をご利用いただけます。
KUSANAGI 9 for AWS Premium Editionのご利用方法
以下、既にAWSアカウントを取得し、AWS MarketplaceおよびAWS マネジメントコンソールにアクセスできていることを前提として、KUSANAGI 9 for AWS Premium Editionの利用方法を説明します。
1. インスタンス(仮想マシン)の作成 (AWSマネージメントコンソール)
1-1. AWSマネジメントコンソールにアクセスし画面右上で指定するリージョンが選択されている状態にします。
※今回は、アジアパシフィック(東京)での構築としています。
1-2. AWS マネジメントコンソールの上部検索項目に「KUSANAGI」と入力し表示された「KUSANAGI 9 for AWS Premium Edition (CentOS Stream 8)」を選択します。こちらはCentOS Stream 8版となります。
AlmaLinux OS 8/9版を利用する場合は、「KUSANAGI 9 for AWS Premium Edition (AlmaLinux OS)」を選択してください。
※表示されない場合は、「Marketplaceのn件の結果をすべて表示」リンクをクリックして、Marketplaceから「KUSANAGI 9 for AWS Premium Edition (CentOS Stream 8)」もしくは「KUSANAGI 9 for AWS Premium Edition (AlmaLinux OS)」を選択します。
以降は、「KUSANAGI 9 for AWS Premium Edition (CentOS Stream 8)」を選択した場合として進めます。
1-3. 「AWS Marketplace(※)」で「KUSANAGI 9 for AWS Premium Edition (CentOS Stream 8)」が表示されるので「Continue to Subscribe」をクリックします。

※AWS Marketplaceは、AWS上で実行されるソフトウェアやサービスを検索・購入後、すぐに利用を開始できるオンラインソフトウェアストアです。KUSANAGI 9 for AWS Premium Editionは、このAWS MarketplaceにAmazonマシンイメージ(AMI)が登録されています。
1-4. ソフトウェア利用の申し込みをします。利用条件を確認し問題なければ「Accept Terms」をクリックします。
1-5. 「Continue to Configuration」をクリックし設定画面に進みます。
1-6. 利用するOSのバージョンを選択します。「KUSANAGI 9 for AWS Premium Edition (CentOS Stream 8)」ではCentOS Stream 8のみになりますが、「KUSANAGI 9 for AWS Premium Edition (AlmaLinux OS)」ではAlmaLinux OS 8とAlmaLinux OS 9が選択できます。
1-7. リージョンは「Asia Pacific(Tokyo)」を選択します。
1-8. OSのバージョン、リージョンを確認して「Continue to Launch」をクリックします。
1-9. 起動画面に進むので、Choose Actionで「Launch through EC2」を選択し「Launch」をクリックします。
1-10. 起動するインスタンスの名前を任意に設定します。
1-11. インスタンスタイプを選択します(KUSANAGIの推奨環境はメモリ4GiB以上です)。デフォルトでは「t3.medium」(メモリ4GiB)が選択されています。
1-12. キーペアを選択します。既に存在する場合はそのキーペアを、まだない場合は「新しいキーペアの作成」をクリックします。
この先は「新しいキーペアの作成」の場合で進めます。既にキーペアが存在する場合は、1-14.まで進みます。
1-13. キーペアを作成ウィンドウが表示されるので、「キーペア名」には任意のキーペア名を入力し、「キーペアの作成」をクリックします。
鍵ファイルがダウンロードされますので任意の場所に保存します。保存したファイルは(後述の)仮想マシンへのログイン時に使用します。
1-14. ネットワークの設定でファイアウォールの設定をします。セキュリティを強化するために「からのSSHトラフィックを許可する」で「自分のIP」を選択します。すると現在アクセスしているIPアドレスが指定されます。

※接続元IPが特定範囲の場合は、「カスタム」としてCIDRでの設定をします。範囲が特定できない場合は、都度、AWSマネジメントコンソールから「自分のIP」でのSSHのルールを追加し、終了次第、ルールの削除を行います。
1-15. ストレージの設定をします。右上の「アドバンスト」をクリックします。
ストレージの詳細な設定項目が出るので、終了時に削除の項目を「はい」にします。この設定を行うと、インスタンス終了時に自動的にストレージも削除されます。
1-16. 画面最下部にある「インスタンスを起動」をクリックします。
1-17. 画面が「作成ステータス」に切り替わり、正常に起動すると「成功」と表示されます。そこにインスタンスIDも表示されるのでクリックします。画面がインスタンスのページに切り替わります。
1-18. インスタンスのページでは「ステータスチェック」が「初期化しています」となっており、インスタンスが作成中であることを確認できます。
しばらくすると「ステータスチェック」が「2/2のチェックに合格しました」に変わります。これでインスタンスの作成が完了です。

インスタンスの状態は「実行中」となっており、すでに仮想マシンが起動していることを確認できます。
2. Elastic IP(固定IP)の設定
2-1. 作成したEC2のインスタンスに割り当てられるIPは、再起動のたびに変更となる動的割当です。IPを固定させたい場合にはElastic IPより、アドレスの割り当てと関連付けを行います。
左サイドバーの「Elastic IP」メニューをクリックしてください。
さらに「Elastic IP アドレスを割り当てる」をクリックしてください。
2-2.「割り当て」ボタンをクリックしてください。
2-3. 「この Elastic IP アドレスを関連付ける」ボタンをクリックしてください。
2-4. 「インスタンス」と「プライベートIPアドレス」をそれぞれ選択します(クリックするとプルダウンで選択できます)。
選択したら「関連付ける」ボタンをクリックしてください。
2-5. Elastic IP アドレス が関連付けられました。「割り当てられた IPv4 アドレス」と 「関連付けられたインスタンス ID」の2点をコピーして控えておきます。
3. 初期設定画面でWordPressの起動設定
3-1. ブラウザを立ち上げて先ほどコピーした「割り当てられた IPv4 アドレス」を入力しアクセスします(e.g. http://割り当てられたIPv4アドレス)。
初期化画面が表示されます。
※場合によっては「インスタンス ID」入力画面が表示されることもあります。その場合は3-2.に進んでください。
初期化完了後にスタート画面が表示されますので、「Let’s get started!」ボタンをクリックしてください。
3-2. 「インスタンス ID」入力画面が表示されますので、先ほどコピーした「関連付けられたインスタンス ID」を入力します。「Send」をクリックします。
3-3. 表示された画面にFQDN情報を入力します。「Send」をクリックします。
※ご自身で取得されたドメインを入力してください
3-4. KUSANAGIのセットアップが開始します。
3-5. KUSANAGIのセットアップが終了したら「Congratulations!」画面が表示されます。「Let’s start WordPress」ボタンをクリックしてください。
3-6. 先ほど入力したFQDNに遷移しますので、WordPressのインストールを始めてください。
4. 仮想マシンへのログインと初期設定
4-1. 作成したインスタンスを選択した状態で、ページ下部にあるインスタンスの情報を確認します。ログイン時には「パブリック IPv4 アドレス」(または「パブリック IPv4 DNS」)を使用します。
4-2. sshコマンドを使用して仮想マシンにログインします。必要な情報は「パブリック IPv4 アドレス」(または「パブリック IPv4 DNS」)、1-14.でダウンロードした秘密鍵ファイルのフルパスです。ユーザー名は「centos」(※)です。
※「KUSANAGI 9 for AWS Premium Edition (AlmaLinux OS)」を利用している場合は、ユーザー名は「ec2-user」です。
PowerShellの例
# ssh.exe centos@(パブリック IPv4 アドレス) -i (秘密鍵ファイルのフルパス)
パスワードを利用してログインする場合や、WindowsでSSHクライアントを使用してログインする場合は、こちらのドキュメントをご確認ください。
ログインに成功すると、次のような画面が表示されます。
4-3. 次のように入力し、rootユーザーに切り替えます。
$ sudo su -
rootユーザーに切り替えができていることを確認します。
[root@<ホスト名> ~]#
このように末尾が#となっていればrootユーザーへ切り替わっています。
Premium EditionではKUSANAGIの初期設定からプロビジョニング、WordPressのインストールまで終わっています。
その他のKUSANAGIの情報については、こちらのドキュメントをご確認ください。