KUSANAGIのプロビジョニング

KUSANAGIのプロビジョニング

初期設定ができたら、KUSANAGIでWordPress などを使用するためのプロファイルを作成します。
これにより、Webサーバの設定ファイル、MySQLのデータベースや、ドキュメントルートなどがプロビジョニング(配置)されます。
KUSANAGI では、WordPress、LAMP、FCGI、Movable Type 7、Drupal をプロビジョニングできます。

1. プロビジョニングの開始

KUSANAGIのプロビジョニングは、以下のコマンドを使うことができます。

# kusanagi provision [options] "任意のプロファイル名"

/home/kusanagi/ の下に上記で指定した “任意のプロファイル名” のディレクトリが作成されます。
この中にドキュメントルートが作成され、必要なデータが格納されます。

2. プロビジョニングの種類の選択

KUSANAGIでプロビジョニングするタイプをオプションに指定することで、インストールするアプリケーションを選ぶことができます。

  • --wp を指定すると、WordPress をプロビジョニングします。WordPressのバージョンを指定するには --wpversion を合わせて指定してください。デフォルトは latest (最新) です。
  • --lamp を指定すると、LAMP(Linux+Apache+MySQL+PHP) もしくは LEMP(Linux+NGINX+MySQL+PHP) で使用するための設定のみをプロビジョニングします。
  • --fcgi を指定すると、Perl CGIを使用できるLEMPの設定のみをプロビジョンします。
  • --mt を指定すると、Movable Type 7を使用するための設定のみをプロビジョンします。Movable Type 7を合わせてプロビジョンするには、 --package を合わせて指定してください。
  • --drupal を指定すると、Drupal をプロビジョニングします。Drupalのバージョンを指定するには --drupalversion を合わせて指定してください。デフォルトは 9 です。

オプション --wp、オプション --lamp、オプション --fcgi、 オプション --mt または オプション --drupal のいずれかの指定は必須で、省略できません。

--wp

3. WordPressの言語選択

プロビジョニングタイプにWordPressを選んだ場合は、WordPressのインストール時の言語選択を行います。
オプション --wplang en_US を指定すると英語が、 --wplang ja を指定すると日本語をが選択されます。

--wplang ja

4. ホスト名の設定

作成するプロファイルで使用するホスト名(FQDN)を指定します。
オプション --fqdn ホスト名 を指定すると、指定したホスト名を設定します。
オプション --fqdn の指定は必須で、省略できません。

--fqdn www.example.com

※http://や末尾の/は不要です。

5. Let’s Encryptの設定

指定したホスト名に対応するLet’s EncryptのSSL証明書を発行します。

Let’s Encryptは認証局(CA)として「SSL/TLSサーバ証明書」を無料で発行するプロジェクトです。
詳細は公式サイトをご覧ください。
こちらにメールアドレスを入力することでLet’s Encryptの使用に同意したことになります。

Let’s Encryptを設定する場合はオプション --email Emailアドレス を指定します。
指定したEmailアドレスで、Let’s EncryptのSSL証明書を取得します。
Let’s EncryptのSSL証明書を使用しない場合はオプション --noemail を指定します。
オプション --email または オプション --noemail のいずれかの指定は必須で、省略できません。

--email kusanagi@example.com

※ Let’s Encryptは、ドメイン認証によるSSL/TLSサーバ証明書です。利用するには、認証の仕組み上、取得するFQDNの名前解決ができること、httpのアクセスに認証がかかっていないことが必要です。また、Let’s Encryptのドメイン単位での利用制限が定められており、仮想マシン作成時にクラウドより付与されるFQDNは利用できません。
※ Let’s Encryptは、プロビジョニング完了後でも kusanagi ssl コマンドにて、設定することが可能です。詳しくは、kusanagi ssl のドキュメントを参照してください。

6. データベース名の設定

データベース名を設定します。
オプション --dbname データベース名 で指定したデータベース名を設定します。
オプション --dbname の指定は必須で、省略できません。

--dbname kusanagi_db

※ここで設定したデータベース名は後ほどWordPress、Concrete5、Drupal8 のインストール設定の際に使用します。忘れないよう控えておいて下さい。

7. データベースのユーザー名の設定

5で作成したデータベースのユーザー名を設定します。
オプション --dbuser データベースユーザー名 で指定したデータベースユーザー名を設定します。
オプション --dbuser の指定は必須で、省略できません。

--dbuser kusanagi_db

8. データベースのユーザーのパスワードの設定

6で作成したデータベースのユーザーのパスワードを設定します。
オプション --dbpass パスワード で指定したデータベースユーザーのパスワードを設定します。
オプション --dbpass の指定は必須で、省略できません。

--dbpass "パスワード"

9. プロビジョニングの完了

全てのオプションを指定してコマンドを実行します。
次のようなメッセージが表示されれば、プロビジョニングは完了です。

# kusanagi provision --wp --wplang ja --fqdn www.example.com --email kusanagi@example.com --dbname kusanagi_db --dbuser kusanagi_db --dbpass "パスワード" "任意のプロファイル名"

(途中省略)

Provisioning of "任意のプロファイル名" completed. Access www.example.com and install wp.
provison completed.

続いて、ブラウザからプロビジョニング時に指定したホスト名(FQDN)にアクセスし、サイトの初期設定を行います。

プロビジョニングのタイプがLAMP または Perl CGI のときは、この後の作業は必要ありません。
ただし、DocumentRoot 以下に何もファイルが配置されていないので、別途PHPアプリケーションやPerlアプリケーションを配置する必要があります。
また、プロビジョニングのタイプがMovable Type 7で --package を指定しなかった場合は、手動でMovable Type 7のアプリケーションを配置する必要があります。

WordPressのインストール

プロビジョニングコマンドの詳細は、kusanagi provisionのページを参照してください。